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家事をレスに。

震災を経験して7年続けた実感。続けられる備蓄が良い備蓄。【まとめ】 

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東日本大震災を経験して7年、
備蓄の試行錯誤を続けてきました。

そして現在、我が家の備蓄は
オートミール一択です。

それに至る経緯と理由を
書いてきたのですが、
ここで一旦まとめてみました。 

 

我が家の備蓄がオートミール一択の9つの理由

これまでの記事を
下記にリンクしました。
良かったらご覧ください。

⓪ 震災から試行錯誤したどりついた、ただ1つの備蓄食糧

① 病状や体調を問わず食べれるのが備蓄食糧の必須条件

② わたしたち日本人は普段から備蓄していた

③ 0才~99才まで食べれる食材が良い備蓄食糧だと思う

④ ライフライン壊滅。最短調理で食べられるものは?

⑤ ライフラインの最後の砦、水道が壊滅したら-と考える

⑥ 寝食を忘れるほど忙しいのに、調理しているヒマはなかった

⑦ 家族が同じ食事をする、というのは本当に大切なことでした

⑧ カップラより安くて健康で、簡単に使える食糧は

⑨ この飽食日本でなぜ、こう備蓄が叫ばれているんだろうか


まとめると、
何才でも病人でもケガ人でも
カンタン調理で食べられて、
安くて何年も継続できる食糧。

それが我が家の場合は
オートミールでした。

 

備蓄の質より、人の質。人間の方が先に変質する

備蓄の品質は数年変わらなくても、
人の質はあっという間に変わります。

新生児が増える、幼児が学生になる。
子どもが育てば、親が弱る。
ぜんそくになる、アレルギーになる。
歯が生える、歯が抜ける。
病気や手術となれば、あっという間に
体質が変わってしまいます。

家族の人数や体調はもちろん、
赤ちゃんや高齢者がいればなおさら。

減塩食、低たんぱく食、流動食、
乳児の粉ミルクやアレルギーなど
危惧すべき事項はたくさんあり、
それが年々変わっていくのです。

我が家だって、夫の腎臓が弱れば
低たんぱく食が必要となります。
たんぱく質の多いオートミールを
備蓄の主軸にはできなくなります。

結局、各家庭で試行錯誤するしかない。
パーフェクトな備蓄食糧なんて
無いのかもしれません。

 

水も燃料もほぼ無い状況を考えた方がいい

被災時、食糧もですが
水と燃料の不足が堪えました。
他所より恵まれていたとはいえ、
精神的な追い込まれ感が強かった。

発災後は、庭にかまどを造ろうとか
夫と真剣に話していました。

 

非常時の炊飯テクニックで
米と水を入れたビニル袋を茹でる、
というのがありますが、
あれは水も燃料も豊富なのが前提です。

炊き出しでは見かけましたが、
一般家庭では難しい気がします。

ライフライン壊滅を考えると
お湯を沸かす程度で済ませたい。
これが被災時の心情でした。

 

どこに住み、所属するか。それで災後の状況が違う

我が家は、高台の中腹にあります。
主要施設が集中していた立地と、
オール電化とエコキュートに
今回は助けられました。

政府の活動拠点になったことで
高台だけは早々に電気が復旧し、
エコキュートには多少の水があり、
岩盤に守られた水道管から
当面は水が出たのです。

同じ高台でも、
頂上の方では早々に断水し、
低地では津波が押し寄せました。

 

また、所属する組織によって
被災後の状況は全く違ってきます。

大企業では、他県の支社から
早くに食糧が届いたけれど、
お年寄りの一軒家では食料が尽き、
避難所に行くしかなかったそうです。

 

災害の規模や質にもよりますが、
住む所、所属する所で
被災後の状況は異なります。

マンションの一階か最上階か。
近くに川や井戸があるか。
オール電化かプロパンガスか。
都会暮らしか田舎暮らしか。
フリーランスか会社勤めか。
ワンオペ育児か大家族か。
夫は同居か単身赴任か。

自分の居場所を考えると、
備蓄の様相は全く異なってきます。

 

自宅避難はある意味「孤立を選択」すること

発災直後は、ご近所と励まし合い、
食べ物を分け合いました。

しかし日にちが経つにつれ、
余りの惨状と深刻さに怖気尽く。
我が家は家も家族も無事でした。
だからこそ。 

被害者や行方不明者が多すぎる。
全てを亡くした人が多すぎて、
互いの状況なんて、とても話せない。

地域とのつながりを持ち続けるのが
どんどん難しくなっていきました。

数週間が経ち、
やっと水が引きました。
出社して泥をさらい、復旧しつつ
支援をいただことができたのです。

 

災害時、孤立は一番危険です。
でも、自宅避難はある意味
「孤立の選択」。

 

ひとり暮らしの学生なら、
親としては大学にいてほしい。
アパートで孤立するのは危険です。

夫が単身赴任で乳児がいる方や、
身内が近所に居ない高齢者は
避難所で指示をあおいだ方が安心です。

地元に根差した年配の方々は、
地域の救助や統括に動いてました。

職場が無事なら、職場の回復が
その後の復旧の土台となります。

 

家族や家や体が無事ならば、
それぞれの場所に赴き、
指示を受けたり自発的に働く。
そして支援を受け、協働するのが
大切だと思います。

数日間の備蓄の本当の意味は、
「支援を待つため」というより
「自分で動くため」かもしれません。

  

備蓄は2種類。生き延びる備蓄と、生き続ける備蓄

上記をふまえて、私は
備蓄には2種類あると考えます。

発災後の数日間を生き延びるため。
その後の数週間を生き続けるため。

もし、備蓄を数日分と考えるなら、
その後の動きを考えておくべきです。

逆に、避難所が遠すぎたり、
病気で避難所で暮らせない場合、
職場や学校等に属していない場合は、
数日の備蓄では足りません。

 

我が家はオートミール一択、と
ずっと書いてきましたが、
これは数週間を生き続けるため。
自宅避難者への支援は、
大規模震災ほど遅れます。
それが前提の備蓄です。

それとは別に、
発災直後に各自で逃げるため、
救難食糧と飴を用意しています。
こちらは生き延びる食糧。
ストレス発散とカロリー補給、
水が無くても喉を潤すことが目的です。

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【まとめ】味や栄養や種類より、分析と妥協となにより継続

備蓄の最大の敵は「続かない」こと。
めんどいし、食費も上がる。

家の食品をカラにしてから
買い物したいタイプの人や、
シンプルライフを求める人は
なおさら難しい。

そして、正解が無いから難しい。

結局、継続するためには、
ある程度の妥協が必要になります。

たとえ手間がかかったり
高価だったり栄養が偏っていても、
継続するために妥協できるなら
どれも◎なのだと思います。

 

大企業の独身寮住まいで
パンと若さで数日をしのぐ気なら◎

農家さんで井戸もあり
倉庫に米も燃料もあるなら◎

日常の食品をていねいに
ローリングストックできるなら◎

何十年も食べられる
リッチな備蓄食を準備できるなら◎

カレーとごはんが大好きで、
レトルトがたっぷりあるなら、それも◎

 

もし、
備蓄に正答があるとしたら、ただ1つ。

「『今』備蓄できている」

これだけだと思います。

 

皆さんは『今』備蓄できていますか?