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家事をレスに。

ライフラインを見直そう―防災で【複数備えるべきもの】とは

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先日、北海道にて巨大地震が発生しました。亡くなられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。 

今回は「淘汰された100の物たち」にかわり、防災について筆をすすめさせていただきます。

 

日本初のブラックアウト

今回の地震では、日本初と言われるブラックアウト(全系崩壊)が起こり、北海道全域が一時期停電となりました。

www.nikkei.com

もし、これが冬だったら…北海道はマイナス20度の厳冬、被害はもっと大きなものだったかもしれません。

そう思うと同時に、7年前の東日本大震災を思い出しました。

夕方は、横殴りのみぞれ雪と黒い波で景色はモノクロ。夜は対照的に一晩中つづく火災と空を覆う煙が、まるで夕焼けのようでした。
鎮火の後は街灯ひとつ無く真っ暗な夜なのに、冬空を見上げれば星明りが恐ろしいほどに明るかったことを覚えています。

 

水と食糧だけじゃだめだった

備蓄というと、水と食糧が筆頭事案となります。
我が家では水はエコキュートで補えたものの、食糧は買い出し直前で冷蔵庫はカラ、本当に難儀しました。
でも、食糧とともにもう1つの問題が。

寒い。

我が家はオール電化ですが、ライフラインの中で電気の復旧は一番早いと知っていたし、家は無事でカセットコンロも準備していました。
夜は着込んで1部屋に集まって眠り、数日後には灯油ストーブも入手できた上、幸いなことに早々に電気が使える様になりました。

避難所で数か月も過ごした方々には申し訳ない程に恵まれた環境だったのは、承知しています。

しかし、町全体が津波に飲まれ火災で壊滅した状況で、数日待てば電気が届くとは冷静に考えても正直信じることが出来ませんでした。本当に電気は届くのか、それまでボンベは持つのか…お湯を沸かすことすら怖かった。

食糧不足と同じくらい、寒さと燃料不足に怯えた記憶があります。

幼い子供たちや高齢の義母が風邪を引かなかったのは幸いなことでした。

 

ライフラインはまさしく命綱

私が何度も『ガスボンベで米を炊くのは怖い』と言うのはこの経験からです。

備蓄というと水と食糧が筆頭、そして携帯の充電が取り上げられがち。ですが私は、電気やガスというライフラインの重要性も見直すべきだと考えています。それほどに、数日とはいえ「燃料が無い」状況は恐怖でした。

水は、自衛隊が給水支援してくださいました。
食糧も、炊き出しやパンなどの配布がありました。
しかし、ガスボンベや灯油、ガソリンの無料配布を私は見たことがありません。

災害の規模が大きければ大きいほど、自宅避難は支援が遅れます。

エネルギーこそ備蓄するか、自力で得るしか無いのです。

 

電気もガスも無い状況を考えるのは難しい

むろん、水も食糧も備蓄しなくて良いわけではありません。
命に直結するからこそ速やかに支援されるのだし、準備が必要なのは当然です。

ただ、水や食糧と同じように、エネルギーについて考えていただきたいのです。
長く続く自宅避難こそ、燃料が必要だから。

今、どんな非常食がある?
ローリングストックの乾麺、どう茹でる?
レトルトを湯せんするのに、何Lの水を沸かす?
生米をビニル袋で茹でると、何分かかる?
電気とガスが無くても、調理できる器具はある?
食糧もですが、燃料は何日分準備できてる?
暖をいつでも確実に取れる?
燃料がなくなったら、どこで調達できる?

震災を経験し、7年も備蓄を試行錯誤してもなお、私はこれら全ての確実な答えを見つけることが未だできていません。

 

考えても難しい、経験って大事

我が家ではオール電化にしたとき、「電気はインフラの中でいちばん早く復旧するから」と言いつつカセットコンロとボンベを2パック準備し、震災に遭いました。

ビビりながら使って結局は余ったのですが、ひっ迫した状況でしたから何をどう調理したかなど、とても覚えておりません。
数年たっても備蓄すべきボンベの本数など見当もつかず、不安でした。 

しかし先日、クッキングヒーターが故障し、2週間ほどカセットコンロで調理することに。

朝の湯沸かしに日々の調理に鍋料理、運動会もあったのでお弁当作りや揚げ物まで使い回し、なんとなく答えの糸口を見つけた気がします。

レンジをフル活用し、ご飯も炊飯釜で炊いたので、震災とは様相は異なります。

しかし「2週間も使った」「焼き物も揚げ物も作った」という経験は大きな安心につながりました。相性の良い鍋の種類やサイズも分かったし、注意点も分かりました(壁も焦がしたしひどい火傷もしたもんで)。

使い勝手を知るって本当に大切なことですね。備蓄の目安が見えました。

 

命を守る3の法則

サバイバルのなかで大事な「3」の法則というものがあります。

3 hours without SHELTER.(シェルターなくして3時間)
3 days without WATER.(水なくして3日間)
3 weeks without FOOD.(食糧なくして3週間)
3 months without HOPE.(希望なくして3カ月)

www.kajiless.com

もちろん季節や状況、年齢や体調によって左右されるものですから、科学的根拠は薄いかもしれません。しかし、”SHELTER”が水より食糧より上位にあることに注視すべきだと思います。

東日本大震災では、低体温症で無くなった方もいらっしゃいました。しかし先日の西日本豪雨では熱中症が猛威を振るいました。

水も食糧ももちろん大切です。

しかし人を寒冷のみならず酷暑からも守る「シェルター」の重要性は、見落とされがち。

普段何気なく使う暖房冷房の大切さ、それを可能にするエネルギーの重要性、それらライフラインが断絶したときにどうするか。

今一度、エネルギーの備蓄について考えてみませんか。

電気だけ、ガスだけ、太陽光だけ…といった単一のエネルギーでは、もしもの場合に不安があります。

そして自宅避難では、燃料こそが自給自足。
水や食糧の様に、支援されることはありえません。

カセットコンロや灯油ストーブなど、エネルギーを分散して備え、できれば1週間でも使ってみることを、強くおすすめします。