家事を朝9時に終える先生に学ぶ。意識を変え「終わらない家事」を淘汰する【淘汰79】
「家事は朝9時に終わる」
着付けの先生の言葉です。
小柄で上品な年配のご婦人でした。毎日着物を着こなし、自ら運転してあちこちで講座を開く忙しい身でありながら、家事もこなしていたのです。
- 家事は朝9時に終わる—着付けの先生の話
- 家事を「終わる」と言える先生のカッコ良さ
- 朝家事が終わる幸せ
- 意識を変えて「終わらない家事」を捨てる
- 家事は終わらないがコントロールできる、育児はコントロールできないが終わる
- 家事を終わらせたその先に
家事は朝9時に終わる—着付けの先生の話
着付けは体で覚えるものだから、着ないと忘れてしまう…という話から、「「でも毎日忙しくて、着るヒマなんて実際ないわ~」」と声が上がったときの、先生の一言でした。
( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)
朝9時!本当に?同居じゃないの!どうやってんの?と(着付けより)熱心な生徒達。
…もちろん、お夕飯はつくるわよ。でも、子どもも家を出たし、主人と二人だから気張らないの。朝食とお弁当を作って掃除洗濯、たまに着物の手入れをしても10時には終わるかしら。早起きはもう出来ないし、大したことはしてないわ…
皆の熱意?に軽く引きながら話してくださり、ご家庭によってちがうから…と切り上げた先生は淡々していて、なんかもう本当にカッコよかった。
もう10年以上も前の話で着付けも忘れちゃったけど、この言葉だけは忘れることなく、いつしか目標となりました。
家事を「終わる」と言える先生のカッコ良さ
かつては単純に「朝9時に終わるのスゴイ」と思っていましたが、今は変わってきています。
「終わる」と言えるのがスゴイと思うのです。
先生もご自身で言っているのです。「もちろんお夕飯はつくるわよ」と。
実際は夕方も家事がある。買い出しも片付けも、朝も夕も、家事は終わらないのです。
その永遠に続く家事にメリハリを付ける努力、切り上げる潔さ、なにより終わる、と言いきる姿勢がスゴイと思うのです。
終わらない家事を嘆くほうが楽なのに、それを淡々と「終わる」と言える。
それが最高にカッコイイと思うのです。
朝家事が終わる幸せ
あれから10年。
私は目標にかなり近づけたと感じています。
実際は毎晩炊事があるし、休日には家族の起床時間にあわせて配膳し、洗濯しお茶を淹れ掃除をし…結局は働くし、いつも弁当のメニューを考えているけれど。
でも、以前の焦りや苦痛を感じません。
家事が「終わる」と思えるようになってきたのです。
10年かけて物を減らして管理も買い物も減り、設備(食洗機と洗濯乾燥機)が充実しました。全てが簡略化され、家族の理解も得やすくなったのです。
育児介護・看護がひと段落して家事だけになったら、なおさら実感しましたよ。
あ~捨ててホント良かったぁ(*´Д`)って。
意識を変えて「終わらない家事」を捨てる
働いている方は特に、出勤時間に合わせて強制的に家事を切り上げるワケで、実は皆さん既に朝家事を実践されていると思うのですね。
だから着付けの先生も淡々とされていたのでしょう。
今なら解ります。家事は続くんだもの。私も大したことはしてないです。
夕食後にあらかじめ食洗機を動かし、洗濯機は最後に入浴した人にスタートボタンを押してもらいます。翌朝、それらを畳んで脱衣所の棚へ仕舞い、食器の片付けとクイックル。
お弁当をつくりつつ、子ども達の朝食は主にプレートで配膳。食後は食洗機にポイ。グリルトップや調理台をシートで拭いてポイ。
物が減り、作業量が減りました。家事に嘆くかつての自分と比べて1割にも満たないです。それでも「終えた」と思えるのです。
終わらない家事を嘆くより、続く家事を「区切る」意識が大事なんだろうな、と今は感じているのです。
家事は終わらないがコントロールできる、育児はコントロールできないが終わる
子ども達も成長し、看護介護もひと段落(またあるかもしれませんが)。
「家事は終わらないがコントロールできる、育児はコントロールできないが終わる」と実感しています。
育児はともかく看護介護なんて先が見えないし、期間も負担も激増します。介護用品もベビー用品も増え続けます。いずれも制御なんてできません。
でも、もしかすると、家事だけならば。
すこしだけ制御できるかもしれません。
だから、終わらない家事に苦しんでいるなら、物を減らしてみませんか。
家事を終わらせたその先に
私の実感ですが、家事の制御にコツも賢さも良妻賢母も要りませんでした。物を減らすだけでした。片付けが一番大きなウェイトを占めるのだから。
物が減れば管理も手順も減ります。自分の意識も変わり、家族にも理解や協力を得られるかもしれません。
錆びたスプーンや欠けた箸、劣化したコップや未開封の景品皿はありませんか?救急箱に古い薬、裁縫箱に曲がった待ち針は?独身時代や産前のキツイ服、痛くてずっと履けない靴、肌に合わない化粧品は?
それらは内心、処分を先延ばしにしていた物かもしれません。
手始めに減らしてみませんか。少し物を減らして、少し負担を減らしてみませんか。
それを続ければ10年後、終わらない家事が終わるかもしれません。
着付けの先生にも、大変な時期があったはずなのです。しかし淡々としたお姿からは、過去の苦労など伺い知ることはできませんでした。住み込みのお手伝いさんがいるご婦人のような、端正で上品な佇まい。
朝家事を終えた今、次の目標は先生のお姿です。年を重ねつつ、少しでも近づきたいと憧れているのです。